Webサイトを作りました。
はじめまして、グラフィックデザイナーの野口勝央(のぐち まさひろ)です。明星大学デザイン学部にて授業の補助や学生の指導をしています。また音楽や美術、地域に関連するグラフィックデザイン全般を請け負っています。今回はこのWebサイトの公開を記念して、どのような意図で設計したのかお伝えします。
伴奏を極める
まずこのWebサイトは、前提として過去の実績が見られる作品集として、そして考えを発信するブログとしての2つの機能をもたせることがあります。つまり、主役はあくまで過去に制作した作品やブログの記事となります。なので、今回は「主役を食わない」場を用意することを目指しました。具体的にはまず作品よりWebサイトの各項目が目立たないようにしています。第一に作品画像やブログの記事が目に入り、その次にメニューやロゴなど、優先順位をつけて設計しています。テキストやロゴ、画像などWebサイトを構成する要素はかなり多いですが、それぞれ主題を設定することでどのような伴奏にすればいいか見えてくるはずです。
なにかが垣間見えるシンプルを目指す
しかし、ただシンプルな場を用意するのではなく、自分らしさの感じられるシンプルとはなにかを模索しました。たとえばWebサイト全体で使用しているテキストの色。ただの黒に見えますが、若干青みを帯びた濃いグレーを採用しています。クリック時の色やContactページの各パーツまで、グレーのグラデーションがきれいに見えるようにしています。また、一見平面的に見えるWebページですが、パソコンやタブレットで見た際はメニューやロゴが作品画像などの上に重なるようにしています。スマートフォンでの見え方と同じく背景に白を敷いても良いのですが、画面が大きければ大きいほどスクロールしている時は、視線がメニューやロゴから離れるように感じます。なので白い背景がなくても作品などを阻害する心配がなく、よりシンプルな構造で「野口勝央という人物が作ったデザイン」を見せています。
あくまで対象に寄り添う
そういえばこうして全体を振り返ってみて、作っていて感じたことがありました。それは「作品や記事をやりすぎない程度に制御する」という考えです。もちろんレイアウトや各項目のサイズなどはすべて指定していますが、「あるべき位置にあるまじき大きさでそこにある」ぐらいのテンションを心がけています。グラフィックデザインでは技術さえあればどんな形や色にも変えられます。でもその形や色はそのものにとって、本来の意味からかけ離れていないか。要素間の距離は各要素にとっていい緊張感を保てているか。あくまで対象を超えないデザインを目指して設計しました。
こんなことを考えながら今回のWebサイトは設計しました。
TwitterやInstagramもあるので良かったら見てください。
コーディングはfujimoto hiroyukiさんにお願いしました。非常に細かな部分までご対応いただきありがとうございます!